三角形の合同条件と面積の公式

三角形の面積を求める公式と言えば
S=\frac{1}{2}bc\sin A
などがあります。
これは、2辺と間の角から面積を求めるものです。
2辺と間の角が等しい三角形は全て合同なので、三角形の面積は一意に定まります。
ところで、三角形の合同条件には他に2つありました。
1つは、「3辺がそれぞれ等しい」。
これに対応する公式は何かと言うと、ヘロンの公式です。
S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}
ただし、
s=\frac{1}{2}(a+b+c)
です。
では、次。「1辺と両端の角」に対応する公式は何でしょうか。
実は、これは高校数学の教科書には載っていません。
そこで、今日は自分で公式を作ってみました。
三角形ABCにおいて、BとCとaのみが分かっている状況を考えます。
このとき、正弦定理により
\frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B}
なので
b = \frac{\sin B}{\sin A}a
となり、ここで
\sin A = \sin(180^\circ -(B+C)) = \sin (B+C)
なので、これを代入して
b = \frac{\sin B}{\sin (B+C)}a
したがって
S = \frac{1}{2}ab \sin C
= \frac{1}{2}a \frac{\sin B}{\sin (B+C)}a \sin C
= \frac{1}{2}a^2 \cdot \frac{\sin B \sin C}{\sin (B+C)}
加法定理を使うと
= \frac{1}{2}a^2 \cdot \frac{\sin B \sin C}{\sin B \cos C + \cos B \sin C}
となります。
結構、扱いにくい公式ができあがりました。
扱いにくいから教科書には載っていないんですね、きっと。
でも、あとで調べてみたところ、Wikipediaには載っていました。