無理+無理=無理とは限らない
実数には、有理数と無理数があります。
有理数というのは、大雑把に言えば、「整数/整数」の形で表される数のことです。
無理数は、有理数以外の実数です。
(1) 有理数+有理数は、有理数になります。
何故なら、整数 a, b, c, d について
a/b + c/d = (ad+bc)/(ad)
だからでっす。
(2) 有理数+無理数は、直感的には明らかですが、無理数になります。
何故なら
有理数 a と無理数 b について、a+b が有理数だと仮定し、a+b = m/n とおくと
b = m/n-a
となり、(1) の結果から m/n-a は有理数だから、無理数=有理数となってしまって矛盾。
(3) ではでは。無理数+無理数はどうなのかっ!
無理数になるんでないべか、と思う人もいるかもしれませんが…
適当な有理数 a と無理数 b について
(a+b)+(a-b) = 2a
となって、(2) の結果から a+b と a-b は無理数であることにより、無理数の和が有理数になりましたっ!
では、無理数の和が常に有理数になるかと言えば、そんなことはなく、
例えば、 が有理数だと仮定すると、まあ二乗しても有理数なのは明らかですね。
このとき、
が無理数であることは背理法で示せます。教科書に載っています。
そうすると、(2) の結果から右辺は無理数なので、有理数=無理数となってしまい、矛盾!
ああ、0 でない有理数×無理数が無理数になることも証明しないといけませんね。
0 でない有理数 a と 無理数 b について ab が有理数と仮定して ab = m/n とおくと
b = m/(an) となり、無理数=有理数となってしまって矛盾。
したがって、 は無理数です。
まとめ。
有理数+有理数は、有理数。
有理数+無理数は、無理数。
無理数+無理数は、有理数の場合もあるし、無理数の場合もあります。