1959年 二次 数学3 [1]

a, b を実の定数とするとき, 定積分
I(a,b)=\int_0^\pi(1-a\sin x-b\sin 2x)^2dx
を求めよ。また I(a,b) を最小にする a, b の値を定めよ。



二次以上の三角関数積分するときには次数を下げるのが定石です.
その際に使うのは半角公式及び積和公式です.
積和公式は加法定理よりすぐに導かれますが, 覚えておいた方がよいです.
ちなみに私は覚えていません.
てへっ.


I(a,b)=\int_0^\pi(1+a^2\sin^2x+b^2\sin^22x-2a\sin x+2ab\sin x\sin2x-2b\sin2x)dx
=\int_0^\pi\left\{1+a^2\cdot\frac{1-\cos2x}{2}+b^2\cdot\frac{1-\cos4x}{2}-2a\sin x+2ab\left(-\frac{1}{2}\right)(\cos3x-\cos x)-2b\sin2x\right\}dx
=\left[\left(1+\frac{a^2+b^2}{2}\right)x-\frac{a^2}{4}\sin2x-\frac{b^2}{8}\sin4x+2a\cos x-\frac{ab}{3}\sin3x+ab\sin x+b\cos2x\right]_0^\pi



ここで上手いこと \sin が全部消えます.


=\left\{\left(1+\frac{a^2+b^2}{2}\right)\pi-2a+b\right\}-(2a+b)
=\left(1+\frac{a^2+b^2}{2}\right)\pi-4a
これが最小になるには b=0 が必要で, このとき
I(a,b)=\frac{\pi}{2}a^2-4a+\pi=\frac{\pi}{2}\left(a-\frac{4}{\pi}\right)^2-\frac{8}{\pi}+\pi
よって, I(a,b)(a,b)=\left(\frac{4}{\pi},0\right) のとき最小となる.