1960年 ニ次 数学1 幾何 [2]

弓形の弦の長さを 2a, 弧の長さを 2b, 弦の中点と弧の中点との距離を h とするとき, 弓形の面積は
\frac{a^2}{2h}(b-a)+\frac{h}{2}(b+a)
で表わせることを証明せよ。



弧の長さが与えられているので, 扇形の面積の公式を使うのだろうと考えます.
扇形と言えども, 中心角が \pi より大きいものがあることに注意.


円の中心を O, 円の半径を r, 弦の両端を A, B, 弦の中点を M, 弧の中点を C とおく.
OA=r, OM=\|r-h\|, AM=a, OA^2=OM^2+AM^2 より
r^2=\|r-h\|^2+a^2
r=\frac{a^2+h^2}{2h}…(1)


扇形の中心角が \pi 以下のとき,
弓形の面積 S は, 扇形OACB の面積から△OAB の面積を引いて
S=\frac{1}{2}r\cdot 2b-\frac{1}{2}\cdot 2a(r-h)=(b-a)r+ah


扇形の中心角が \pi 以上のとき
弓形の面積 S は, 扇形OACB の面積と△OAB の面積を足して
S=\frac{1}{2}r\cdot 2b+\frac{1}{2}\cdot 2a(h-r)=(b-a)r+ah


結局, 弓形の面積 S は (b-a)r+ah で, これに (1) を代入して
S=\frac{a^2}{2h}(b-a)+\frac{h}{2}(b+a)