1976年 二次 理科 [5](旧課程問題)

点 P は xy 平面の原点 O を時刻 t=0 に出発して, x 軸上を正の向きに動く.
時刻 t において, x 軸, 曲線 y=\frac{x^2+1}{x+1}, y 軸, P を通って y 軸に平行な直線で囲まれた図形の面積を S とする.
P が点 (x,0) を通過するときの S の変化率 \frac{dS}{dt}x^2+1 に等しいという.
このとき St の式で表せ.
ただし P の座標は時刻 t微分可能な関数とする.


時刻 t における点 P の座標を (f(t),0) とおく.
S=\int_0^{f(t)}\left(x+\frac{2}{x+1}-1\right)dx
=\frac{1}{2}(f(t))^2+2\log (f(t)+1)-f(t) …(1)
よって
\frac{dS}{dt}=f(t)f'(t)+\frac{2f'(t)}{f(t)+1}-f'(t)
したがって, 題意より
f(t)f'(t)+\frac{2f'(t)}{f(t)+1}-f'(t)=(f(t))^2+1
整理して
f(t)-f'(t)+1=0
この微分方程式を解くと
f(t)=ce^t-1 (c は任意定数)
ゆえに, (1) より
S=\frac{1}{2}(ce^t-1)^2+2\log ce^t-ce^t+1 …(2)
t=0 のとき S=0 だから
\frac{1}{2}(c-1)^2+2\log c-c+1=0 (c>0)
整理して
c^2-4c+4\log c+3=0 …(3)
左辺を g(c) とおくと
g'(c)=2c-4+\frac{4}{c}=\frac{2}{c}\left(c^2-2c+2\right)
c^2-2c+2 の判別式は負なので, c>0 とあわせて g'(c)>0
よって g(c) は単調増加で, これと g(1)=0 より (3) の解は c=1 のみ.
ゆえに c=1 で, このとき (2) より
S=\frac{1}{2}e^{2t}-2e^t+2t+\frac{3}{2}