1958年 二次 幾何 [3]

ある直円錐とそれに内接する球の体積の比が 2:1 であるとき, この直円錐の底面の半径と高さとの比を求めよ。



円錐の高さを h, 底面の半径を r, 球の半径を s とする.


相似な三角形の対応する辺の比が等しいことにより
h-s:s=\sqrt{h^2+r^2}:r
s\sqrt{h^2+r^2}=r(h-s)
s=\frac{rh}{\sqrt{h^2+r^2}+r}…(1)


また, 直円錐と球の体積の比が 2:1 なので
\frac{1}{3}\pi r^2h:\frac{4}{3}\pi s^3=2:1
r^2h=8s^3…(2)


(1), (2) より
r^2h=8\left(\frac{rh}{\sqrt{h^2+r^2}+r}\right)^3
(\sqrt{h^2+r^2}+r)^3=8rh^2
両辺を r^3 で割って
\left(\sqrt{\left(\frac{h}{r}\right)^2+1}+1\right)^3=8\left(\frac{r}{h}\right)^2
x=\frac{h}{r} とおくと, x>0 より
(\sqrt{x^2+1}+1)^3=8x^2
\sqrt{x^2+1}+1=2x^{\frac{2}{3}}
\sqrt{x^2+1}=2x^{\frac{2}{3}}-1
x^2+1=4x^{\frac{4}{3}}-4x^{\frac{2}{3}}+1
x^{\frac{2}{3}}\left\(x^{\frac{4}{3}}-4x^{\frac{2}{3}}+4\right\)=0
x^{\frac{2}{3}}\left(x^{\frac{2}{3}}-2\right)^2=0
x^{\frac{2}{3}}=2
よって
\left(\frac{h}{r}\right)^{\frac{2}{3}}=2
\frac{h}{r}=2\sqrt{2}
したがって
r:h=1:2\sqrt{2}



\frac{h}{r} をつくったのは比を直接的に求めるためですが, h, r をそれぞれ s を使って表してから比をとってもできます.