1958年 二次 幾何 [2]

平面上において, 2 定点 A, B を両端とする任意の円弧の 3 等分点のうち A に近い方の軌跡を求めよ。



図のように座標軸を取り,
OA=OB=a,
円の中心を C(0,-p), 半径を r,
求める軌跡の点を P(x,y),
CP と y 軸のなす角を \theta とする.


x=r\sin\theta…(1)
y=r\cos\theta-p…(2)
p=r\cos3\theta…(3)
a=r\sin3\theta…(4)



ここから r\thetap を消去して xy の関係式を導くわけですが, とりあえず (3) を (2) に代入して整理するとうまいこと (1) が使えるようになるのでこれを代入して, 式はなるべく簡単な形がよいので 2\sin\theta\cos\theta=\sin2\theta の関係式を使います.
その後, \theta を消去するために \sin^2\theta+\cos^2\theta=1 の関係式を使いたいので, \sin2\theta を求めます.


(1), (2), (3) より
y=r\cos\theta-r\cos3\theta
=r\cos\theta-r(4\cos^3\theta-3\cos\theta)
=4r\cos\theta(1-\cos^2\theta)
=4r\sin^2\theta\cos\theta
=4x\sin\theta\cos\theta
=2x\sin2\theta
よって
\sin2\theta=\frac{y}{2x}…(5)



次は (4) を使うしかないですね.
これも (1) を代入して簡単にしますが, 今度は \cos2\theta が必要になるので, \cos2\theta=1-2\sin^2\theta の関係式を使えばよいだろうと考えます.


(1), (4) より
a=r(3\sin\theta-4\sin^3\theta)
=r\sin\theta(3-4\sin^2\theta)
=x\{2(1-2\sin^2\theta)+1\}
=x(2\cos2\theta+1)
よって
\cos2\theta=\frac{a-x}{2x}…(6)



東京大学数学入試問題50年」の解答では x 軸と y 軸の取り方が逆です.
とすると, \cos2\theta=\frac{\frac{a}{y-1}}{2} とあるのは \cos2\theta=\frac{\frac{a}{y}-1}{2} の誤植だと思われます.


(5), (6) より
\sin^22\theta+\cos^22\theta=1
\left(\frac{y}{2x}\right)^2+\left(\frac{a-x}{2x}\right)^2=1
これを整理して
\frac{\left(x+\frac{a}{3}\right)^2}{\left(\frac{2a}{3}\right)^2}-\frac{y^2}{\left(\frac{2a}{\sqrt{3}}\right)^2}=1



同じく, 本の解答で \frac{y+a}{3} とあるところは y+\frac{a}{3} の誤植だと思われます.


よって, 求める軌跡は上の式で表される双曲線である.
ただし, x>0