判別式を使わないで判別

ある特別な場合には、二次方程式が異なる二つの実数解をもつことを瞬時に判別できます。

簡単のため、a > 0, b \neq 0と仮定します。
すると、二次方程式
ax^2+bx+c=0
は、c \leq 0ならば異なる二つの実数解をもちます。

考えてもみれば当たり前のことで、判別式
b^2-4ac
b^2は常に正なので、a > 0, c \leq 0ならば、全体として正になります。
別の考え方として、グラフを使うのも有効です。
c=0ならば
ax^2+bx=0 \Leftrightarrow x(ax+b)=0
より、これが異なる二つの実数解をもつことは明らかで、c < 0ならば、下に凸のグラフを下に平行移動することになるわけですから、やはり、異なる二つの実数解をもつことが言えます。

例えば、
10000x^2+50000x-0.00001=0
は、異なる二つの実数解をもちます。

ちなみに、これは十分条件であって必要条件でないことには注意が必要です。

整理すると、二次方程式
ax^2+bx+c=0
が異なる二つの実数解をもつための十分条件
b \neq 0のときac \leq 0
b = 0のときac < 0
です。
このどちらも満たされない場合には、判別式を使うしかありません。
ちなみに、もっと整理すると
ac < 0
で、十分すぎるほど十分になります。
これが何の役に立つのかと言うと、私の仕事柄、例題を作るのに役立ってます。