高校数学の教科書について雑感

2点 (x_1,y_1), (x_2,y_2) を通る直線の方程式は、x_1 \neq x_2 のとき
y-y_1=\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}(x-x_1) …(1)
で表されると、高校数学の教科書には書いてあります。
これは、点 (x_1,y_1) を通り傾きが m の直線の方程式が
y-y_1=m(x-x_1)
で表されることから導かれます。
一方、直線が (x_2,y_2) も通ることから、こちらを代入することもできます。
すると
y-y_2=\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}(x-x_2) …(2)
という方程式が得られます。
(1) と (2) は一見すると異なる式に見えます。
しかしながら、展開して整理すると同じ形になります。
具体的には
y=\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}x+\frac{-x_1y_2+x_2y_1}{x_2-x_1} …(3)
です。
あるいはさらに整理して
(y_2-y_1)x-(x_2-x_1)y-x_1y_2+x_2y_1=0 …(4)
となります。
どうして高校数学の教科書では (1) の形を採用しているのか、よく分かりません。
(3) や (4) の方が自然だと思うのですが。
何か教育的な配慮があるのでしょうか。

そういえば、話は変わりますが、新しい学習指導要領によると、どうやら数学Cが数学3に吸収され、行列が高校数学全般から削除されるようです。
これには驚きましたが、ずっと昔は微分方程式は高校で扱われていたらしいし、複素数平面は出たり入ったりを繰り返しているらしいし、そもそも行列が扱われない時代は過去にもあったらしいし、そう珍しいことではないみたいです。
何をもって高校数学とするかには、統一の見解は得られないのでしょう。