1956年 一次 理科 [5]

下に書いてあるイからトまでの方程式の中から適当なものを選んで次の□に記入せよ。ただし, イ, ロ, ハ, …などの記号のみを答案用紙の該当する解答欄に記入すること。
□のグラフは y=\log_a x のグラフを x 軸に平行に移動したものである。
□のグラフは y=\log_a x のグラフを y 軸に平行に移動したものである。
□のグラフは y=\log_a x のグラフを原点に関して対称にうつしたものである。
□のグラフは y=\log_a x のグラフを x 軸に関して対称にうつしたものである。
□のグラフは y=\log_a x のグラフを直線 y=x に関して対称にうつしたものである。
y=a^x
a^y=x+h
x=y^a
xa^y=-1
xa^{y+h}=1
y=\log_a \frac{x}{h}
y=\log_{\frac{1}{a}}x
ただし, a>0, a \neq 1, h>0, h \neq 1 とする。



グラフの平行移動や対称移動について復習しましょう.
関数 y=f(x) のグラフについて
1) x 軸方向に p だけ平行移動したグラフの方程式は y=f(x-p)
2) y 軸方向に q だけ平行移動したグラフの方程式は y=f(x)+q
3) x 軸に関して対称移動したグラフの方程式は y=-f(x)
4) y 軸に関して対称移動したグラフの方程式は y=f(-x)
5) 原点に関して対称移動したグラフの方程式は y=-f(-x)
6) 直線 y=x に関して対称移動したグラフの方程式は x=f(y)
最後の (6) は載っていない教科書も多いかと思いますが, 要は xy を入れ替えるだけなので, 他と同様明らかです.
というわけで, イ〜トまで, 全て検証してみます.


y=a^x
両辺の対数をとると
\log_a y=x
つまり
x=\log_a y
このグラフは y=\log_a x のグラフを直線 y=x に関して対称にうつしたものである.


a^y=x+h
両辺の対数をとると
y=\log_a(x+h)
このグラフは y=\log_a x のグラフを x 軸方向に -h だけ平行移動したものである.


x=y^a
両辺の対数をとると
\log_a x=\log_a y^a



何だかよく分かりません.
別の変形の仕方をすれば a=\log_y x です.


xa^y=-1
変形して
a^y=-\frac{1}{x}
両辺の対数をとって
y=\log_a(-\frac{1}{x})
y=\log_a (-x)^{-1}
y=-\log_a (-x)
このグラフは y=\log_a x のグラフを原点に関して対称にうつしたものである.


xa^{y+h}=1
変形して
a^{y+h}=\frac{1}{x}
両辺の対数をとってさらに変形すると
y+h=\log_a \frac{1}{x}
y+h=\log_a x^{-1}
y=-\log_a x -h
このグラフは y=\log_a x のグラフを x 軸に関して対称にうつして y 軸方向に -h だけ平行移動したものである.


y=\log_a \frac{x}{h}
変形して
y=\log_a x -\log_a h
このグラフは y=\log_a x のグラフを y 軸方向に -\log_a h だけ平行移動したものである.


y=\log_{\frac{1}{a}}x
変形して
y=\frac{\log_a x}{\log_a \frac{1}{a}}
y=\frac{\log_a x}{\log_a a^{-1}}
y=-\log_a x
このグラフは y=\log_a x のグラフを x 軸に関して対称にうつしたものである.


以上により順にロ, ヘ, ニ, ト, イ.