1956年 一次 文科 [2]

次の□に適当な数を記入せよ。
定点 (13,0) を通る直線
y=m(x-13)…(a)
は □\leq m \leq□のとき, かつ, このときに限って円
x^2+y^2=25…(b)
と共有点をもつ。
そのとき, 直線 (a) から円 (b) によって切りとられる弦の中点は 1 つの円周 C の上にある。
この円周 C の中心の座標は□で半径は□である。


(a) を (b) に代入すると
(m^2+1)x^2-26m^2x+169m^2-25=0
共有点をもつための必要十分条件は判別式 D について D \geq 0 となることである.



m^2+1>0 なので, 上の式が一次方程式になることはありません.


すなわち D/4=-144m^2+25 \geq 0
(12m+5)(12m-5) \leq 0
-\frac{5}{12} \leq m \leq \frac{5}{12}
直線と円の二つの共有点の座標を (x_1,y_1), (x_2,y_2) とおく(共有点が一つの場合はこれらは一致する).
弦の中点の座標を (x,y) とすると
x=\frac{x_1+x_2}{2}=\frac{26m^2}{2(m^2+1)}=\frac{13m^2}{m^2+1}…(1)



ここで, 二次方程式 ax^2+bx+c2 解の和が -\frac{b}{a} であることを使いました.
次に y を求めますが, 2 解を (b) に代入しては計算が煩雑になるので (a) に代入すればいいかと思いきや, 代入する必要はありません.
2 解の和を最大限に利用すれば計算は簡単になります.


y=\frac{y_1+y_2}{2}=\frac{m(x_1-13)+m(x_2-13)}{2}=m\left(\frac{x_1+x_2}{2}-13\right)=m\left(\frac{13m^2}{m^2+1}-13\right)=\frac{-13m}{m^2+1}…(2)



あとは円の方程式を求めるために m を消去して xy の関係式を求めればオーケーです.


(1), (2) より x=-my なので m=-\frac{x}{y}
これを (2) に代入して
y=\frac{-13\left(-\frac{x}{y}\right)}{\left(-\frac{x}{y}\right)^2+1}
y\left{\left(-\frac{x}{y}\right)^2+1\right}=-13\left(-\frac{x}{y}\right)
x^2+y^2=13x
\left(x-\frac{13}{2}\right)+y^2=\left(\frac{13}{2}\right)^2
よって, 中心の座標は \left(\frac{13}{2},0\right), 半径は \frac{13}{2} である.