1956年 ニ次 幾何 [2]

半径一定の動円が平面上の直交座標系の原点 O を通りながら動くとき, この円と x 軸, y 軸との原点以外の交点を P, Q とすれば, 線分 PQ の 3 等分点はどのような曲線の上にあるか。



イメージが湧きにくいかもしれませんが, 原点に紙面と垂直に棒があって, そこを中心にして円を回転させる様子をイメージするといいかもしれません.
円であって円板ではないので, 内部を含まないことに注意.


円の中心の座標を (a,b), 半径を r(>0) とおく.
このとき, 条件より a^2+b^2=r^2 …(1)
円の方程式は (x-a)^2+(y-b)^2=r^2 で,
y=0 のとき
x^2-2ax+a^2+b^2=r^2
(1) より x(x-2a)=0
よって, x 軸との交点のうち, 原点と異なる点 A の座標は (2a,0)
同様にして, y 軸との交点のうち, 原点と異なる点 B の座標は (0,2b)
線分 AB を 3 等分する点を, A に近い方から M, N とおく.
M の座標は \left(\frac{2\cdot2a+1\cdot0}{1+2},\frac{2\cdot0+1\cdot2b}{1+2}\right)=\left(\frac{4a}{3},\frac{2b}{3}\right)
M が (1) を満たしながら動くときの軌跡を求める.
M の座標を (x,y) とおくと
x=\frac{4a}{3}, y=\frac{2b}{3}
a=\frac{x}{\frac{4}{3}}, b=\frac{y}{\frac{2}{3}}
(1) に代入して
\frac{x^2}{\left(\frac{4}{3}\right)^2}+\frac{y^2}{\left(\frac{2}{3}\right)^2}=r^2
\frac{x^2}{\left(\frac{4r}{3}\right)^2}+\frac{y^2}{\left(\frac{2r}{3}\right)^2}=1
よって, M は O を中心とし, 長径 \frac{8r}{3}, 短径 \frac{4r}{3} の横長の楕円上にある.
同様に N の軌跡の方程式は
\frac{x^2}{\left(\frac{2r}{3}\right)^2}+\frac{y^2}{\left(\frac{4r}{3}\right)^2}=1
であり, N は O を中心とし, 長径 \frac{8r}{3}, 短径 \frac{4r}{3} の縦長の楕円上にある.