1956年 ニ次 幾何 [1]

一平面上に定円 O と, その中心 O とは異なる定点 A がある。円 O の任意の直径の両端と点 A とを頂点とする三角形の外心の軌跡を求めよ。



私は幾何が苦手なので, 座標を設定して解いてみます.
この場合, 計算しやすいように点や図形を配置するのが定石です.


座標平面上で円 O の方程式を x^2+y^2=1, 点 A の座標を (0,a) (a \neq 0) としても一般性を失わない.
任意の直径の両端点の座標を B(\cos\theta,\sin\theta), C(-\cos\theta,-\sin\theta) (0 \leq \theta < \pi, \theta \neq \frac{\pi}{2})とおく.



円の直径が直線 OA 上にあるときは三角形ができないので, \theta の範囲で \frac{\pi}{2} を除外しました.
また, 一方の端点が x 軸の上方にあればもう一方の端点は x 軸の下方にあるので, \theta の範囲は上記のようにして差し支えありません.


外心 P は直線 BC(y=\tan\theta x) の垂直二等分線 y=-\frac{1}{\tan\theta}x 上にある.



直線 BC の方程式をこのようにおくと, 直線 BC の方程式が x=0 である場合を表現できていませんが, その場合は三角形ができないので問題ありません.
点 A を y 軸上に設定したのはそのためです.


P\left(x,-\frac{1}{\tan\theta}x\right) とおくと, PA=PB より
x^2+\left(-\frac{1}{\tan\theta}x-a\right)^2=(x-\cos\theta)^2+\left(-\frac{1}{\tan\theta}x-\sin\theta\right)^2
\frac{2a}{\tan\theta}x+a^2=-2\cos\theta x+\cos^2\theta+\frac{2\sin\theta}{\tan\theta}x+\sin^2\theta
\frac{2a}{\tan\theta}x=(\sin^2\theta+\cos^2\theta)+2\cos\theta x-2\cos\theta x-a^2
x=\frac{1-a^2}{2a}\tan\theta
よって
P\left(\frac{1-a^2}{2a}\tan\theta,-\frac{1-a^2}{2a}\right)
ここで, \tan\theta は任意の値をとり, -\frac{1-a^2}{2a} は定数なので, 点 P の軌跡は直線 OA に垂直な直線である.