1959年 二次 数学2 [1]

時刻 t における点 P の位置 (x,y) が次の方程式 (1), (2), (3), (4) によって与えられている。各場合について, t0 から 2\pi まで変わるとき点 P のえがく軌跡を下の例にならって図示せよ。


\left\{\begin{array}x=t\\y=t-\frac{1}{2}gt^2 \left(0 \leq t \leq \frac{2}{g}\right)\end{array}\right.


(1)
\left\{\begin{array}x=\cos t\\y=2\cos\left(t+\frac{\pi}{2}\right)\end{array}\right.


(2)
\left\{\begin{array}x=\cos t\\y=\cos(t+\pi)\end{array}\right.


(3)
\left\{\begin{array}x=\cos t\\y=\cos2t\end{array}\right.


(4)
\left\{\begin{array}x=\cos t\\y=\cos\left(2t+\frac{\pi}{2}\right)\end{array}\right.


0 \leq t \leq 2\pi より \|\sin t\|\leq 1, \|\cos t\|\leq 1


(1)
\cos t=x
y=2\cos\left(t+\frac{\pi}{2}\right)=-2\sin t
よって
\sin t=-\frac{y}{2}, \cos t=x
ただし, \|x\|\leq 1, \|\frac{y}{2}\|\leq 1
\sin^2 t+\cos^2 t=1 より
x^2+\left(\frac{y}{2}\right)^2=1


(2)
\cos t=x
y=\cos(t+\pi)=-\cos t
よって
x+y=0
ただし, \|x\|\leq 1, \|y\|\leq 1


(3)
\cos t=x
y=\cos2t=2\cos^2t-1
よって
y=2x^2-1
ただし, \|x\|\leq 1, \|y\|\leq 1


(4)
x=\cos t
y=\cos\left(2t+\frac{\pi}{2}\right)=-\sin2t=-2\sin t\cos t


0 \leq t \leq \pi のとき
\sin t=\sqrt{1-\cos^2x} であるから
y=-2x\sqrt{1-x^2}
ただし, \|x\|\leq 1, \|y\|\leq 1


\pi \leq t \leq 2\pi のとき
\sin t=-\sqrt{1-\cos^2x} であるから
y=2x\sqrt{1-x^2}
ただし, \|x\|\leq 1, \|y\|\leq 1


f(x)=-2x\sqrt{1-x^2} とおくと
f'(x)=\frac{2(2x^2-1)}{\sqrt{1-x^2}}
よって, 増減表(省略)より, y=-2x\sqrt{1-x^2} は, x=\frac{1}{\sqrt{2}}, t=\frac{\pi}{4} のとき極小値 -1, x=-\frac{1}{\sqrt{2}}, t=\frac{3\pi}{4} のとき極大値 1 をとる.
y=2x\sqrt{1-x^2} も同様に, x=-\frac{1}{\sqrt{2}}, t=\frac{5\pi}{4} のとき極小値 -1, x=\frac{1}{\sqrt{2}}, t=\frac{7\pi}{4} のとき極大値 1 をとる.



(4) の 2 つのグラフは x=\pm 1 のところで ''なめらかに'' つながっていますが, このことは f'(x) 値の x\rightarrow \pm 1 での極限を考えることなどにより分かります.
しかしそれだと面倒なので, xy で表して y-x 座標平面を考えて, 点 (0,\pm 1) における接線の傾きが 0 であることを示した方がいいかもしれません.
ちなみに, 問題に「例にならって図示せよ」とあるので, 矢印やら t の値を書いた方がいいのですが, Mathematica では限界があるので省略しています.



東京大学数学入試問題50年」にある (1) の解答の図は誤植ですね.
昨日さぼったので, まだ -3 問….