4人でじゃんけんをしてk回目で初めて一人が勝ち残る確率
前回の話の続きです。
がんばって、「4 人でじゃんけんをして k 回目で初めて一人が勝ち残る確率」を求めることに成功しました。
[ 解答 ]
n 人でじゃんけんをして k 回目で初めて一人が勝ち残る確率を P(n,k) で表し、一度のじゃんけんによって a 人が b 人になる確率を Q(a,b) で表すことにします。
すると、前回と同様の考察により、次の漸化式を得ます。
前回の結果より
また、2 人でじゃんけんをして k 回目で初めて一人が勝ち残るのは、k-1 回目まであいこで k 回目に勝負がつくことだから
他の Q(a,b) の値は前回同様に求められます。
これらを代入して整理し、P(4,k) を改めて で表すことにすると
両辺を 倍して
とおくと
…(1)
ここで、 として
と変形できたとする。
このとき
…(2)
(1) と (2) の係数を比較して
,
よって
ここで
なので
よって
したがって
となります。
めでたし!
いやー、大変な式が出てきてしまいましたっ!
検算して確かめたので、間違っていることはないと思います。
ところで、P(2,k) と P(3,k) と P(4,k) を並べてみると、次のようになります。
それぞれ分母は ですが、分子の方は規則性がさっぱり分かりません。はっはっは。
P(5,k) もがんばれば求められるかもしれませんが、一般論を展開することは難しそうです。
つまり P(n,k) を n と k からなる簡明な閉じた式で表すことは無理っぽいですね。
うーん、たかがじゃんけんと言えど、とっても難しい問題をはらんでいるものですな。