1956年 ニ次 解析2 [2]

平面上の直交軸に関して, 座標がそれぞれ (1,1), (-1,1) である 2 点を通る放物線
y=ax^2+bx+c (a<0)
x 軸が囲む面積の最小値を求めよ。


2 点の座標を代入して
1=a+b+c
1=a-b+c
これより b=0, c=1-a
よって, 放物線は y=ax^2+(1-a)
ax^2+1-a=0 とおくと a<0 より x=\pm\sqrt{\frac{a-1}{a}}



ここで, 6 分の 1 公式を使ってみます.
高校数学の教科書には載っていないことが多いのですが, 使ったからといってテストで減点されることはないと思います.
放物線 y=ax^2+bx+c と直線 y=dx+e によって囲まれる部分の面積 S は, 放物線と直線の交点の x 座標を \alpha, \beta とおくと
S=\frac{1}{6}\left|a(\beta-\alpha)^3\right|


求める図形の面積は a<0 より
-\frac{1}{6}a\left(2\sqrt{\frac{a-1}{a}}\right)^3=\frac{4}{3}\sqrt{\frac{(a-1)^3}{a}}
f(a)=\sqrt{\frac{(a-1)^3}{a}} とおくと
f'(a)=\frac{(2a+1)(a-1)^2}{a^2}


\begin{array}{|c||c|c|c|c|}\hline a & \cdots & -\frac{1}{2} & \cdots & 0 \\ \hline f'(a) & - & 0 & + & \\ \hline f(a) & \searrow &  & \nearrow & \\ \hline\end{array}


したがって, 増減表より, 求める図形の面積の最小値は \frac{4}{3}f\left(-\frac{1}{2}\right) = 2\sqrt{3}