1957年 二次 幾何 [3]

x^2+y^2=1 と定点 (a,b) がある。この円周上の動点 Q における接線上に点 P をとり, AP=2PQ ならしめるとき, 点 P の軌跡はいかなる図形であるか。また, とくに a=3, b=-2 の場合を図示せよ。


P(x,y) とおくと
AP^2=(x-a)^2+(y-b)^2
また, OQ⊥PQ なので, 三平方の定理より
PQ^2=OP^2-OQ^2=x^2+y^2-1
AP=2PQ より AP^2=4PQ^2 なので
(x-a)^2+(y-b)^2=x^2+y^2-1
整理して
\left(x+\frac{a}{3}\right)^2+\left(y+\frac{b}{3}\right)^2=\frac{4}{9}(a^2+b^2+3)…(1)
よって, 点 P は円 (1) 上にある.
逆に, 点 P が円 (1) 上にあるとき, 上記の議論を逆にたどることにより, 円 x^2+y^2=1 上の点 Q をとることができる.
以上により, 点 P の軌跡は中心 \left(-\frac{a}{3},-\frac{b}{3}\right), 半径 \frac{2}{3}\sqrt{a^2+b^2+3} の円である.


a=3, b=-2 のときは
中心 \left(-1,\frac{2}{3}\right), 半径 \frac{8}{3} の円であり, 次のようになる.



この問題も, 図をかけば(思い描けば) OQ⊥PQ であることはすぐに分かるのですが, そこに気付かないと次のようになります.


P(x,y), Q(\cos\theta,\sin\theta) とおくと
PQ^2=(\cos\theta-x)^2+(\sin\theta-y)^2=\sin^2\theta+\cos^2\theta-2\{(\cos\theta)x+(\sin\theta)y\}+x^2+y^2=x^2+y^2+1-2\{(\cos\theta)x+(\sin\theta)y\}
ここで, 点 P は円 x^2+y^2=1 上の点 Q における接線なので
(\cos\theta)x+(\sin\theta)y=1
よって,
PQ^2=x^2+y^2+1-2\cdot1=x^2+y^2-1



以下同様です.