1959年 二次 数学1 幾何 [1]

2 つの円弧 AC_1BAC_2B が弦 AB と同じ側にあって, いずれも半円より大きいとする。A を通る直線 l が弧 AC_1B, AC_2B と交わる点をそれぞれ P_1, P_2 とすれば, l がどのような位置にあるとき線分 P_1P_2 の長さが最大となるか。



この手の問題は, 図をかいて色々と実験してみれば, 答えが見えてくることも多くあります.
今の場合, 直線 l と AB が重なるときは P_1P_2=0 なので, そこから徐々に l を円弧の側に回転させていくと P_1P_2 が大きくなっていって, AB に垂直になったときに P_1P_2 が最大になるような感じがします.
実際, その通りになります.
ところで, 私は幾何が苦手なので, 解析的に解いてみます.



A(0,0), B(0,2a) とし, 弧 AC_1B を含む円 O_1 の半径を r_1, 弧 AC_2B を含む円 O_2 の半径を r_2 とする.
また, 弧 AC_1B, 弧 AC_2B は, x 軸の正の方向の側にあるとする.
O_1 の方程式は (x-\sqrt{r_1^2-a^2})^2+(y-a)^2=r_1^2…(1)
O_2 の方程式は (x-\sqrt{r_2^2-a^2})^2+(y-a)^2=r_2^2…(2)
l が AB と重なるときは P_1P_2=0 となり不適.
直線 ly=mx とおく.
(1) に代入すると
x^2-2\sqrt{r_1^2-a^2}x+r_1^2-a^2+m^2x^2-2amx+a^2=r_1^2
(m^2+1)x^2-2(\sqrt{r_1^2-a^2}+am)x=0
x=0, \frac{2(\sqrt{r_1^2-a^2}+am)}{m^2+1}
P_1x 座標は正なので, P_1\left(\frac{2(\sqrt{r_1^2-a^2}+am)}{m^2+1},\frac{2m(\sqrt{r_1^2-a^2}+am)}{m^2+1}\right)
同様に, P_2\left(\frac{2(\sqrt{r_2^2-a^2}+am)}{m^2+1},\frac{2m(\sqrt{r_2^2-a^2}+am)}{m^2+1}\right)
よって
P_1P_2^2=\left\{\frac{2}{m^2+1}(\sqrt{r_1^2-a^2}-\sqrt{r_2^2-a^2})\right\}^2(m^2+1)
=\frac{4}{m^2+1}(\sqrt{r_1^2-a^2}-\sqrt{r_2^2-a^2})^2
ゆえに, m=0 のとき, つまり直線 l が AB に垂直なとき, P_1P_2 は最大になる.



これで -3 問…。