1960年 ニ次 数学2 [2]

1 辺 100 m の正方形の広場の 1 つの角に直立する高さ 60 m の棒があり, 地上 10 m の所から上だけ赤く塗ってある。この広場の 1 点から棒の赤い部分を見込む角を \alpha とするとき, \alpha\geq45^{\circ} であるような広場の部分の面積を求めよ。



角度は P から A までの距離にのみ依存するので, PAx m とおいて計算します.
座標を設定して, 例えば P(x,y,0), A(0,0,0), B(0,0,10), C(0,0,60) などとして計算してもできますが, 変数が 2 つになってしまい, やや面倒です.


PA=x m とおくと, 余弦定理より
\cos\alpha=\frac{PB^2+PC^2-BC^2}{2PB\cdot PC}
=\frac{\sqrt{x^2+10^2}^2+\sqrt{x^2+60^2}^2-50^2}{2\sqrt{x^2+10^2}\sqrt{x^2+60^2}}
=\frac{x^2+600}{\sqrt{x^2+100}\sqrt{x^2+3600}}\leq\cos45^{\circ}=\frac{1}{\sqrt{2}}
よって
\sqrt{2}(x^2+600)\leq\sqrt{x^2+100}\sqrt{x^2+3600}
両辺を 2 乗して整理すると
(x^2-400)(x^2-900)\leq0
400\leq x^2\leq900
x>0 より 20\leq x\leq30
以上により, 求める広場の部分は, それぞれ A を中心とする半径 20 m の四分円と半径 30 m の四分円にはさまれた部分である.
したがって, 求める面積は
\frac{1}{4}\pi(30^2-20^2)=125\pi