約分しないと間違いなのか

数学の試験の採点をしていて、思うところがあります。
一番は、約分を忘れたものを間違いとするか否か。
例えば、\frac{1}{2} が正解のところ \frac{3}{6} と書かれてあれば間違いとするのが妥当なのかどうか。
自分としては、どちらも同じ数を表しているわけなので、後者でも正解だろうと思うのです。
同じものを違った形で表すということは大学の数学ではよくあることですし、それらを見比べることによって新たな発見があることもあります。
もちろん、分数の約分の問題は、そういった話に比べれば物凄く低次元な話ですし、大学で数学を学ぶ人間なぞ全人口の1パーセントにも満たないでしょうが、それはともかくとして、同じものを違った形で表すのはよくないのだという変な価値観が植え付けられてしまうのは良くないと私は思います。
ただ、x^2-x-3=0 を解けという問題で x=\frac{-(-1) \pm \sqrt{(-1)^2-4 \times 1 \times (-3)}}{2 \times 1} と書かれていれば、さすがにどうかとも感じます。
現実的な解決策としては、問題文中に「答えはできるだけ簡単な形にすること」とでも書いておくことが挙げられるでしょうか。
「できるだけ簡単」というところが全く数学的でないのが問題ですが。
いやはや。