共終数

Jechの「Set Theory」には増加列を用いた共終数の定義と, それによるいくつかの補題の証明が載っているのですが, 増加列はどうにも自分にはしっくりこないので, 同じことなのですが違う表現でもって共終数を定義して, それによるいくつかの補題の証明を自分なりにしてみようと考えました.



0 でない極限順序数 \alpha, \beta について, \beta\alpha に共終するとは
ある増加関数 f:\beta \rightarrow \alpha が存在して, 任意の \gamma < \alpha に対してある \delta < \beta が存在して f(\delta) > \gamma となること.
そして, このような f を共数関数と呼ぶことにします.
また, \alpha に共終するもののうち最小のものを cf(\alpha) とかき, これを \alpha の共終数と呼ぶ.

このように定義しても間違いないでしょうか.
少々不安でございます.
次の補題は当たり前に見えますが証明してみます.

cf(cf(\alpha)) = cf(\alpha).

証明
cf(\alpha) = \beta とおくと, ある共終関数 f:\beta \rightarrow \alpha が存在します.
また, cf(cf(\alpha)) = cf(\beta) = \gamma とおくと, ある共終関数 g:\gamma \rightarrow \beta が存在します.
このとき, f \circ g:\gamma \rightarrow \alpha が共終関数であることを示せばよいわけです.
cf(\beta) = \gamma であることから明らかに \beta \geq \gamma ですが, \beta > \gamma であれば \beta の最小性に反するので.
さて, 任意の \mu < \alpha に対してある \nu < \beta が存在して f(\nu) > \mu.
また, 任意の \nu < \beta に対してある \xi < \gamma が存在して g(\xi) > \nu.
以上二つをまとめると, 任意の \mu < \alpha に対してある \nu < \beta が存在して f(\nu) > \mu かつ \xi < \gamma が存在して g(\xi) > \nu.
このとき, f が増加関数で g(\xi) > \nu であることにより f(g(\xi)) > f(\nu) > \mu.
よって, 任意の \mu < \alpha に対してある \xi < \gamma が存在して f(g(\xi)) > \mu であると言えます.

よーし, できたぞー.
間違いがあれば教えて頂けると助かります.