1958年 二次 解析2 [2]

底面の半径が a であるような直円柱がある。底面の直径を通り, 底面と角 \alpha をなす平面でこの直円柱をきり, この平面と直円柱の底面および側面で包まれた図のような立体を作る。この体積を求めよ。ただし, 0<\alpha<\frac{\pi}{2} とする。


円の中心を原点, 平面と直円柱の底面が交わったところの円の直径を x 軸とする座標平面を円のある面上にとり, 平面 x=t で立体を切ったときの断面を考える.
断面は直角三角形で, その底辺は \sqrt{a^2-t^2}, 高さは \sqrt{a^2-t^2}\tan\alpha である.
よって, 断面の三角形の面積は
\frac{1}{2}\times\sqrt{a^2-t^2}\times\sqrt{a^2-t^2}\tan\alpha=\frac{1}{2}\tan\alpha(a^2-t^2)
したがって, 立体の体積は
\int_{-a}^a\frac{1}{2}\tan\alpha(a^2-t^2)dt=\tan\alpha\left[a^2t-\frac{1}{3}t^3\right]_0^a=\frac{2}{3}a^3\tan\alpha



この解答にある断面に垂直な断面を使うこともできます.
余談ですが, 「東京大学数学入試問題50年」の解答にある図は間違いだと思われます.
あれでは PQ=\sqrt{a^2+x^2} になってしまいます.