定数係数線形差分方程式

Q.E.D. 証明終了(その2)

定数係数線形差分方程式の解の公式の証明ができあがりました。 量にして、A4用紙7枚分くらい。 証明の基本は単なる数学的帰納法なのですが、テクニカルな部分が多く、なかなか楽しめました。 証明中では抽象的な概念は何一つ扱っていませんので、頑張れば高…

定数係数線形差分方程式の解の公式

ふと思い立って、同次とは限らない一般の定数係数線形差分方程式の解の公式を作ってみました。 定数係数 階線形差分方程式 によって定義される数列 について, その一般項 は のとき, 次式で与えられる. ここで, は自然数 の分割のうち, 最大数が 以上 以下で…

Q.E.D. 証明終了

以前に書いた次の結果の証明が、やっとこさ終了しました。 定数係数 r 階線形同次差分方程式 によって定義される数列 について、その一般項 は のとき、次式で与えられる。 ここで は、自然数 n の分割のうち、最大数が m 以上 l 以下であるもの全てからなる…

解説

昨日の記事にアップしたことの意味について、できるだけ簡単に説明します。かの有名なフィボナッチ数列は …(1) の形で定義されます。 このような式のことを漸化式といいます。 また、(1)を一般化すると、次のようになります。 …(2) これを難しい言葉で「定数…

定数係数線形差分方程式の解の公式(完全版)

とりあえず、結果だけを先に公開しておきます。 特性方程式を解く必要がないところがポイント。 実用性は全くありませんが。 隣接 r+1 項間漸化式によって定義される数列 の特性方程式が で表されるものとする。 このとき、数列 の一般項は で、表される。 …

定数係数線形差分方程式の解を行列式で表してみた

頑張って、次の結果を得ました。 隣接 r+1 項間漸化式によって定義される数列 の特性方程式が で表されるものとする。 このとき、数列 の一般項は で与えられる。 ここに、 は次の形の行列式の値である。 多分、合っていると思います。確認はあと回し。 次の…

べき乗の和を基本対称式で表す

定数係数線形差分方程式について考えているうちに、次のような問題に突き当たりました。 は、 の基本対称式の多項式として、どのように表されるか。 例えば、r=5として は、基本対称式を とおくと n=1のとき n=2のとき n=3のとき n=4のとき n=5のとき で、表…

隣接r項間漸化式によって定義される数列の一般項(暫定バージョン)

久しぶりに、隣接r項間漸化式によって定義される数列の一般項(=定数係数r階線形差分方程式の解)を求める試みを再開しました。 漸化式の特性方程式というものを解くことができればその解を用いて一般項を表すことができるのですが、5次以上の方程式には一般に…

隣接4項間漸化式によって定義される数列の一般項2

4項間漸化式によって定義される数列の一般項を求める試み2。 によって定義される数列 の一般項は、その特性方程式の異なる3つの解を, , としたとき、それらの組み合わせで得られる基本対称式を , , とおくと で表されることが分かりました。 ここで、は多項…

隣接4項間漸化式によって定義される数列の一般項

隣接3項間漸化式によって定義される数列の一般項を、その特性方程式の各項の係数のみを用いて表すことに成功したので、次は隣接4項間漸化式についても同じことをやってみようと試みました。 隣接4項間漸化式 の特性方程式 の3つの解を, , とおきます。 ただ…

(a^(n+1)-b^(n+1))/(a-b)を基本対称式で表す

の証明ができました。 以前のと同じPDFファイル内に書いておきましたので、興味のある方はどうぞ。ちなみに、シグマの数を検索して調べてみたところ、41個もありました。 最近、シグマとCとガウス記号とばかり戯れているような気がします。 こういった問題は…

隣接n項間漸化式を解きたいのです

明けましておめでとうございます。 今年に入ってから2度、スノーボードに行きました。今日は二日ですね。あれれ。昨年末に出した結果に至った経緯について述べたいと思います。述べちゃいます。「昨年末に出した結果」 3項間漸化式 によって定義される数列の…

公式、作りました。

3項間漸化式によって定義される数列の一般項は、初等的に求めることができますが、各項が整数であっても、一般項を表す式の中に根号や虚数単位が含まれてしまうことがあり、それではあまり美しくありません。 そこで、根号や虚数単位を含まない形で一般項を…

フィボナッチ数列の一般項が整数になる理由

今回は、フィボナッチ数列についての話です。 有名なので、ご存じの方も多いかと思われますが、一応説明しますと、フィボナッチ数列は で、定義されます。 この数列の一般項を表す式に無理数が現れるのも、また有名な話です。隣接三項間漸化式を解いてみれば…